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鬼瓦は単なる飾りではなく、屋根の頂点である「棟(むね)」の端部から雨水が浸入するのを防ぐ重要な構造部材です。修繕時には、鬼瓦自体の固定だけでなく、下地の調整や周囲の漆喰処理までを一体で施工する必要があります。
鬼瓦の修繕は、単に瓦を接着するだけでは済みません。鬼瓦の裏側には固定用の仕掛けがあり、屋根の下地骨組み(木部・芯木)と金属線でしっかり引っ張り固定されています。
そのため、下地の補強・金属線での結線・漆喰による止水処理という一体的な施工が必要です。
ステップ1:既存状態の確認・解体撤去
まずは安全を確保した上で、鬼瓦の傾きやガタつき、既存漆喰の劣化具合を点検します。
傷んだ鬼瓦や周囲ののし瓦を取り外し、古くなった葺き土や漆喰を丁寧に除去・清掃します。
ステップ2:下地調整と芯木(しんぎ)の固定
強風や震災に耐えうる固定力を生み出すため、屋根の下地材(垂木など)にしっかりと留め付けられた「芯木(固定用の木材や金属部材)」を設置します。
併せて防水シート(ルーフィング)の重なりや納まりを確認し、雨水が入らない状態を整えます。
ステップ3:鬼瓦の設置・金属線での留め付け
鬼瓦裏面の固定用穴(または突起)にステンレス線や銅線を通します。
これを下地に打ち込んだビスや芯木へ交差させて固く引き結ぶことで、揺れや風で脱落しない強固な二重構造を作ります。施工時は水平器を使い、通りと出幅(仕上がり角度)を正確に合わせます。
ステップ4:面戸漆喰(めんどしっくい)の施工
鬼瓦の裏側や隙間に、防水性・接着性の高い南蛮漆喰(なんばんしっくい)を隙間なく詰め込みます。
水が溜まらず外へ流れるよう、水切勾配(みずきりこうばい)をつけながら表面を滑らかにコテ仕上げします。
ステップ5:棟瓦の復旧・最終検査
鬼瓦に接する「のし瓦」や「冠瓦」を組み直し、ガイドライン工法(防災施工)に基づいた金属線での緊結を行います。
全体のかぶり・勾配・仕上がりを確認し、屋根上の掃除を行って施工完了になります。