お菓子の計り売りをするマシンを街中で見かけたことがあります。私の子供時代はお菓子のみならず、お使い先のお店の肉や野菜など、その殆どが計り売りでした。こちらの希望する量や数だけその場で秤にかけて売ってもらえるのです。

品物はザックリと新聞紙に包まれ、輪ゴムをかけられて手渡されます。もちろん発泡スチロールのトレイやラップなどはありませんし、レジ袋もありませんでしたが、不便を感じることなど無かったように思います。これは、映画「三丁目の夕日」の世界に暮らした私達世代の日常のお話しです。

その後スーパーマーケットの出現によって、買い物という行為がよりスピードアップし、更に便利になっていきました。しかし便利を追求するあまり、いま失いかけている大切なものがあることに私達は漸く気付いたところです。